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実務簿記・税務会計


1 日商簿記とは?

 簿記は,企業規模の大小や業種,事態を問わずに,日々の経営活動を記録・計算・整理して,経営成績と実務簿記・税務会計財政状態を明らかにする技能です。
 簿記を理解することによって,企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく,財務諸表を読む力,基礎的な経営管理や分析力が身につきます。また,ビジネスの基本であるコスト感覚も身につきますので,コストを意識した仕事ができるとともに,取引先の経営状況を把握できるために,経理担当者だけではなく,すべての社会人に役立ちます。さらに,公認会計士や税理士等の国家資格を目指す方や他の資格・検定と組み合わせてキャリアアップを考えている方々にも必須の資格といえます。
 現在,多くの企業が社員に対して簿記検定の資格取得を奨励しているほか,大学や短大の推薦入試,単位認定の基準に採用されていることなどから,年間で約55万人の方々が受験する「日商簿記」として社会的に高い信頼と評価を得ています。このような実績を踏まえ,先ごろは,若者者の就職を支援する厚生労働省の「YESプログラム」において,企業が採用にあたって重視している就職基礎能力の1つである「資格取得」に選定されたところです。

☆こんな人の役に立ちます
 ● 企業の経理・会計担当者
 ● 利益率を重視する営業担当者
 ● 取引先企業の経営状態を把握したい人
 ● 公認会計士や税理士等の国家資格をめざす人
 ● 税務申告を自分で行いたい人

☆こんな効果が期待できます
 ● 正しく帳簿をつけられる
 ● 自社の長所や短所を分析できる
 ● 費用や収益率を意識するようになる
 ● 取引先企業の経営状況を把握できる

担当講師:松村英美(会計事務所勤務)
Kenビジネススクールでは,Web講義+直前期の個別指導を実施しております。
また,松村講師の企業研修を希望される方は,Kenビジネススクールまでお問い合わせ下さい。


2 各級の基準

【4級】 簿記入門編。小規模小売店の経理に役立つ。勘定科目に仕訳でき,複式簿記の仕組みを理解している。
【3級】 財務担当者に必須の基本知識が身につき,商店,中小企業の経理に役立つ。経理関連書類の読み取りができ,取引先企業の経営状況を数字から理解できるようになる。営業,管理部門に必要な知識として評価する企業が増えている。
【2級】 高校程度の商業簿記および工業簿記(初歩的な原価計算を含む)を修得している。財務諸表を読む力がつき,企業の経営状況を把握できる。相手の経営状況もわかるので,株式会社の経営管理に役立つ。
【1級】 税理士,公認会計士等の国家試験の登竜門。大学程度の商業簿記,工業簿記,原価計算ならびに会計学を修得し,財務諸表規則や企業会計に関する法規を理解し,経営管理や経営分析ができる。

3 出題範囲及び合格基準他

試験科目 制限時間 合格基準 合格率 受験料
3級 商業簿記 2時間 70%以上 30%前後 2,040円
2級 商業簿記・工業簿記 2時間 70%以上 20%前後 4,080円
1級 商業簿記・会計学

工業簿記・原価計算
1.5時間

1.5時間
70%以上

10%前後 7,140円
  ※但し,1科目ごとの得点は40%以上

4 受験資格

 学歴・年齢・性別・国籍に制限はありません。
 2級,1級からの受験や,2・1級,3・2級を同日に受験することも可能です。実務簿記


 簿記とは

1 単式簿記と複式簿記

 個人の家庭でつける家計簿では,お金の動きだけを記録します。家庭では,入ったお金の額と使ったお金の額,そして残っているお金の額が把握できれば十分だからです。このように,一部の重要な財産の動きだけを記録し,整理すればよい場合には通常「単式簿記」が使われます。
 しかし,商売をしていく上では,お金だけではなく,すべての財産の動きを正確に把握しておく必要があります。たとえば,お金を払って商品を買ったなら,お金という財産が減る代わりに商品という財産が増えます。このように,お金を払ったという原因と,商品が増えたという結果の二つの面を,同時に記録するのが「複式簿記」の方法です。通常,簿記という場合は,この複式簿記を指します。

2 業種による簿記の分類

【営利簿記】(儲けを目的とする)
  •  商業簿記…物品販売・サービス業等
  •  工業簿記…製造業等
  •  銀行簿記…銀行等の金融業
  •  農業簿記…農林水産業等

【非営利簿記】(儲けを目的としない)
  •  官庁簿記…予算の収支を記帳
  •  家庭簿記…所得の収支を記帳

3 簿記の目的

実務簿記 商売を営んでいるお店や会社では,元手を上手に運用することによって,1円でも多くの儲けを得るために努力しています。その肝心の儲けを知るために,毎日の商売の動きを記録することは欠かせません。
 商売は,現金だけを扱うものではなく,商品や店舗,配達用の車など,さまざまな財産がかかわっています。また,働く人の給料や電話代等いろいろな経費もかかります。ですから,金庫の中の現金が昨日よりも増えているからといって,単純にその分だけ儲かったと考えるわけにはいきません。それが,商品を売って得たお金なら,商品という財産が減っているわけですし,その商品を配達したのならガソリン代もかかっているわけです。
 こういった「商品を売った」「代金を受取った」「配達にガソリンを使った」等の商売の動きをすべて正確に記録し,計算して,はじめてどれだけもうけることができたのか,どれだけ財産が増えたのかがつかめます。簿記は,そのためにあるのです。
  •  企業の経済活動を記録すること
  •  企業の財政状態を把握すること
  •  企業の経営成績を明らかにすること
  • 財政状態を明らかにするために作成される書類を貸借対照表(B/S),経営成績を明らかにするために作成される書類を損益計算書(P/L)といいます。

4 簿記の活用

 簿記では,商売上のできごとを毎日記録していき,それを一定の期間でまとめて整理,計算して,儲けや財産の状態をつかみます。まとめの作業で作る資料を財務諸表といい,さまざまな目的に使われます。
 財務諸表の代表的なものに,「損益計算書」と「貸借対照表」があります。
  • 貸借対照表(B/S⇒ Balance Sheet )

 その時点において財政状態がどうなっているかを表す一覧表。財政状態とは,資金の調達と運用の状況をいいます。貸借対照表は,資産・負債・資本からできており,これらの内容と関係を理解することが重要です。

  • 損益計算書(P/L⇒ Profit and Loss Statement )

一定期間内における営業成績がどうかを表す計算書。経営成績とは,企業がどのくらい利益を得たか,または損失をうけたかをいいます。
 損益計算書は,費用と収益,及びその差額である利益(または損失)からできており,貸借対照表と同様に,その内容と関係を理解することが重要です。
【財務諸表の外部への活用例】
 @  税務署等に提出…税金を払う
 A  金融機関等に提出…お金を借りる
 B  株主総会に提出…株主に報告する
 C  商法に従う…各省庁に提出
【財務諸表の内部への活用例】
 @  将来の経営方針をたてる
 A  従業員の勤労意欲向上のための目標をたてる
 B  不必要な支出を抑える
 C  売値を決めるための価格計算を行う

5 会計期間

 商売の営みは途中で切れることなく,廃業するまでずっと続きます。しかし,簿記では,毎日の記録をどこかで区切ってまとめてみないと,儲けや財産の状態を知ることができません。
 そこで,簿記では,通常1年ごとに期間を区切って決算を行います。この区切る期間のことを「会計期間」といいます。また,この会計期間の一を「期首」といい,会計期間の終わりを「期末」といいます。




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