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法律入門講座
商 法


講師:田中謙次(2007年度からは加藤理恵先生が担当する予定です)
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1 科目の概要

 どうも商法の学習は一般に敬遠されがちのようです。ほんとうは,商法もどうしてなかなか面白い法律です。ただ,勉強のはじめの段階では,このことをわかってもらうことは少なく,とかく敬遠されやすいようです。商法もその基本原則やしくみを把握しさえすれば,あとは理解が容易になりますし,面白さもわかってきます。商法の学習には,麻雀に似たところがあります。点数計算を覚えて,役を覚えて,ルールを覚えれば,徹夜で続ける程面白いものになります(人によるかもしれませんが)。本気になって学んでみれば,商法だって,たいへん面白い法律科目となります。
 商法学習の実をあげるためには,まず商法アレルギーを捨ててかかることが必要です。

 商法の学習で当面,対象となるのは企業です。ところで,ご存じのように,企業は経済社会と切っても切れない関係をもっています。わが国の企業組織やその行為・活動を学ぶ私たちとしては,そのバックグラウンドになっているわが国の経済社会そのものにも大いに興味をもつことが大切です。そうすることは,ひいては企業のすがた,わが国企業の特質にも面白味を感ずることに通じるはずです。また,そのような眼を養うことは商法を学ぶうえで大いにプラスになります。そうでないと,とかく,企業についての法である商法の学習が抽象化された単なる知識の習得に終始してしまう危険があります。それでは商法学習を実のあるものにすることがむずかしくなります。
 そして,商法学習の実をあげるために,できるだけ企業の実態,企業社会の実情も知るように努めるのがよいと思います。企業の実態をキャッチすべく,情報をあつめる態度を維持することは,みなさんの商法学習を前進させるに違いありません。
 こうした情報を収集するための具体的方法はそれぞれが考えて工夫していかなければなりませんが,その一つとして経済関係の雑誌や新聞を読むこともあげられましょう。早い話,たとえば日本経済新聞を読み,適宜,商法学習に結びつく解説や報道を切り抜くだけでもプラスになるはずです。転換社債や会社の合併,粉飾決算や背任行為等々,実に多くの生きた商法素材が報じられているからです。そのような情報収集はみなさんの商法学習や知識をしっかりとしたものにしてくれるはずです。
 これは商法にかぎらず,法律の学習全般についていえることですが,特に商法の勉強に関して強調されてよいのは商法のそれぞれの分野を学ぶにあたっては,その個所を常に商法全体の基本原則や特質,会社法の原理,原則と結びつけ,これらと関連させながら学ぶという態度を維持することです。
 商法が苦手だという人はだいたい,商法の各制度や概念をただ,順を追って平面的に勉強しているだけのことが多いようです。各制度は,実はいずれも商法全体の理念とか基本原則と密接に結びつき,それを具体化しているのが普通なのですから,その関連づけを考えなければいけないのですが,実際に学習の場において,そう努める人は案外すくないように見受けられます。これでは商法の勉強に興味をもてなくなるのは当然です。
 民法は私法の一般法であり,商法はその特別法です。企業が主体となって行う法律関係も,一般の生活関係については民法が適用されますし,商法が規定していない事項については私法の一般法としての民法がカバーして適用されることも大いにありうることです。
 商法と民法との間にはこのような関係があるのですから,私たちも商法の学習にあたっては,私法の一般法たる民法との関連において商法を考察するという態度をとることが求められます。民法との関連を忘れて,ただ商法学習では商法のみを考察の対象とすればよいのだと考えていてはいけません。それでは商法の本当の実力が身につきません。

 商法という法律は技術的な色彩が濃い法律です。技術的なカラーの濃い法律の学習では,条文を重視し,これを熟読することが必要です。法文の熟読を怠っていて,ただ解説書の字面だけを読んでもなかなか理解しにくいものですし,知識が身につきません。条文を参照しながら,解説書を読めば理解が容易になります。
 商法という法律は動的な法律です。なにしろ,企業社会は日進月歩の社会ですから,いきおい,商法もそれを追って変わらざるを得ない面をもっています。
 そういうわけで,商法は比較的,改正がひんぱんに行なわれる法律です。近年,特に改正がよく行なわれていることはご存じの通りです。
 改正論議をよぶこととなる制度や問題はそれなりの問題点をもっていたり,企業社会の動きや実態から検討を求められている事項です。私たちも現行商法の学習をしながらも,商法改正の動きには常々アンテナを鋭く張り,それに意を留めていかなければなりません。
 特に平成13年以降における商法改正の動きは,原理原則までもが見直されるという大々的な改革となっております。劇的に変化する世界経済の流れの中で,それを規制する役割も担っている法律がどうあるべきかについても,立ち止まって考えてみる必要があるでしょう。


2 講義内容

第1章 商法概説
 1 商法とは何か
  (1) 商法の学び方
  (2) 商法とは
第2章 会社法
 1 資本・株式・会社財産の関係
  (1) 資本とは
  (2) 株式と資本の関係
 2 法人格否認の法理
  (1) 法人格否認の法理とは
 3 会社の設立
  (1) 設立費用
  (2) 財産引受
 4 株主平等の原則
  (1) 株主平等原則の意義
  (2) 株主平等原則の内容
  (3) 株主平等原則の例外
  (4) 株主平等原則違反の効果
 5 種類株式
  (1) 種類株式の意義
  (2) 種類株式ごとの異なる定めが可能な事項(108条)
 6 定款による株式譲渡制限
  (1) 株主譲渡自由の原則
  (2) 定款による譲渡制限
 7 名義書換未了の株式譲受人
  (1) 株主名簿
  (2) 失念株
  (3) 名義書換未了の譲受人の権利行使を会社が認めること
 8 機関総説
  (1) 機関の意義
  (2) 機関の種類
  (3) 株式会社の機関設計の分類
  (4) 株式会社の機関設計の類型
  (5) 持分会社の機関設計
 9 取締役・取締役会
  (1) 取締役
  (2) 取締役会
 10 代表取締役
  (1) 代表取締役の意義
  (2) 代表取締役の権限
  (3) 有効な決議に基づかない代表取締役の行為の効力
  (4) 表見代表取締役
 11 取締役と会社との関係
  (1) 競業避止義務
  (2) 利益相反取引
  (3) 取締役の報酬
  (4) 取締役の責任
 12 株主総会
  (1) 意義
  (2) 株主総会の招集
  (3) 議決権
  (4) 種類株主総会(総論)
  (5) 法定種類株主総会
  (6) 任意種類株主総会
  (7) 少数株主の権利
 13 役員等と第三者との関係
  (1) はじめに
  (2) 429条の責任の本質・範囲
  (3) 429条の責任を負う「役員等」の範囲
 14 株主の権利濫用
  (1) 総説
  (2) 株主の権利濫用に対する制約
  (3) 濫用事例
  (4) 株主代表訴訟(847条)と権利濫用
 15 その他の機関
  (1) 監査役
  (2) 会計参与
  (3) 会計監査人
 16 計算
  (1) 資本及び準備金
  (2) 剰余金の配当
 17 組織変更・再編
  (1) 概要
  (2) 組織変更
  (3) 合併
第3章 総則・商行為法
 1 商行為と商人(商法の適用範囲)
  (1) 商行為
  (2) 商人
 2 商行為の特則
 3 商業登記
  (1) 商業登記総説
  (2) 商業登記の効力
 4 商号
  (1) 商号の登記・選定
  (2) 商号の譲渡
  (3) 名板貸し
 5 営業譲渡
 6 商業使用人
 7 各種商行為
  (1) 商行為法総則
  (2) 仲介営業
  (3) 運送営業
  (4) 運送取扱営業
  (5) 倉庫営業
  (6) 場屋営業
第4章 有価証券法
 1 有価証券の概念
  (1) 意義
  (2) 目的
  (3) 各種有価証券の性質
 2 約束手形総説
  (1) 約束手形とは
  (2) 約束手形の基本的な仕組み
 3 原因関係と手形関係
  (1) 原因行為が手形関係に及ぼす影響
  (2) 手形関係が原因行為に及ぼす影響
 4 手形行為の成立要件
  (1) 約束手形の記述事項
  (2) 手形の交付
 5 手形行為の有効要件
  (1) 総説
  (2) 手形行為独立の原則
 6 他人による手形行為
  (1) 自己のためにする他人名義による手形行為
  (2) 他人のための手形行為
 7 手形上の権利の移転と裏書
  (1) 譲渡裏書総説
  (2) 裏書の効力
  (3) 裏書の連続
 8 善意者保護の制度
  (1) はじめに
  (2) 善意取得
  (3) 人的抗弁の切断
 9 特殊の譲渡裏書
  (1) 白地式裏書
  (2) 特殊の記載をした裏書
  (3) 戻裏書
  (4) 裏書の抹消
  (5) 期限後裏書


Kenビジネススクール代表理事田中謙次 みなさん,こんにちは。
 Kenビジネススクール代表理事の田中謙次です。

 Kenビジネススクールのメイン講座のひとつでもあります「法律入門講座」の中の「商法(有価証券法)第2回目」講義をアップロードしております。
 Kenビジネススクールでは,通信学生の方にも法律を “とにかくわかりやすく”理解していただくために,講義に工夫を凝らしております。また,理解+記憶定着のメカニズムを心理学の観点から研究し,映像にも工夫を凝らしております。
 通信学生の方の場合は,このような映像をインターネットを利用して配信するか,またはDVDに収録して郵送する方法で学びます。講義で理解できなかったこと,その前提としての学習環境における悩み相談,資格試験情報等の相談は,いつでもメールにて受け付けております。急ぎの方や文章では質問が難しいものの場合は,電話でも対応しております。
ご興味のある方は,是非資料請求して下さい。

 さて,本日は,商法(有価証券法)入門講座第2回目の講義をご覧になられたわけですが(サンプルなのですべてではありませんが…),これは,商法の総説・会社法を学んだ上で受講するものです。ですから,まだ法律を学んだことのない方からみれば,少し難しかったと思われます。ただ話しに出てきた約束手形は,実社会では日常的に利用されているものです。たとえば,冷蔵庫やパソコンを利用するのは誰でもできることですが,それが故障した場合に直せる能力は別物です。手形理論とは,故障したときに直せる能力の前提と思ってもらえればイメージしやすいと思います。

 Kenビジネススクールでは,今後とも,受講生様の観点に立ち,学ぶ手段の拡充化と効率化を図って行きたいと考えております。




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